2015年10月7日水曜日

映画 心が叫びたがってるんだ。 感想 :あの花にイマイチ感動できなかった人に勧めたい恋愛の名作

 あ〜見逃さなくて本当によかったですよ!
 映画「心が叫びたがってるんだ。」 (ここさけ)を劇場で見てきました。

 思い切って見に行って本当に良かったです。もう大絶賛ですよ!失礼ながら、こんなに素敵な作品だったとは思いませんでした。

 というのも、世間で大評判だった名作『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』にはイマイチ入りきれなかった自分としては、『あの花』スタッフが集結!』という宣伝は逆にちょっと引いてしまっていたからです。
(後半はネタバレのレビューとなりますのでご注意ください)

9.19公開映画『心が叫びたがってるんだ。』本予告映像より画像引用
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あの花にハマれなかった人こそ見るべき作品


 『あの花』はいい作品だと思いますが、世間で言うほどハマれなかった(40のおっさんだから当然と言えば当然ですが)、そんな自分のような人には、『心が叫びたがってるんだ。』はとてもお勧めしたいです。

 しかし、いくつかのレビューを読むと・・・
誰にも感情移入できませんでしたし、作品としても好意的に捉えれば王道の青春群像劇でしたが『あの花』のような意外性はありませんでした。ゆさアニ さん レビュー記事より) 
あの花みたいに大号泣する話ではなく、青春&ちょっぴり感動です!YouTube ウォッチさん感想

 ハァ〜?オイオイ、ウソだろ?こっちは大号泣だったんですけど!『あの花』ではジンワリ感動しただけだったけど、『ここさけ』は最高に良かったんですけど!

・・・なんて悪態をつきたくなるほどスゴイ感動してしまいました(笑)いや、実のところ、ゆさアニさんを始めとするネガティブ系の感想を読んで、『あ、これは、俺にとっては面白い作品かもしれない!』って気付けたんですよね。そういう意味でも本当に感謝しています。

4人を軸にした青春群像劇でありラブストーリー
『心が叫びたがってるんだ。』本予告映像より
© KOKOSAKE PROJECT

 つまり『あの花』にそれほどハマれなかった人こそ見に行ったほうがいい!食わず嫌いで見逃すなんで絶対に損です。予告編が地味だからって気にしないでください。説教くさい成長物語なんかじゃありません。思いっきり素敵な恋愛物語です。

痛い・・・けど素敵なラブストーリー


 これは、ぜひ映画館で観るべきです。本作は映像や音楽は美しいもののそれがメインではありません。個人のホームシアターシステムでも十分楽しめるかもしれません。でもなぜ映画館なのか?それはとても、いろんな意味で『痛い』からです。 

恋する成瀬、メチャクチャわかりやすいけど、すごく良い。
映画『心が叫びたがってるんだ。』公開記念特番より
© KOKOSAKE PROJECT

 自宅で一人で見ていたら、あまりの痛さに逃げ出していたと思います。でも映画館なら逃げ出すことができません、スキップ1.3倍速にすることもできません。悶絶しながら身をよじって見ていました。でも、だから良い

 痛さが無ければ、青春も恋愛も薄っぺらい話になってしまいますよね。

良い意味で一般向けの作品


 ゆさアニさんのレビューでは、本作を『一般向け』のアニメと評していました。そこには若干ネガティブな印象を帯びているように感じました。例えばテーマソングが乃木坂46だったりする所ですね。そこは分からなくもないですが、EDを本編にかぶせないことで違和感は最小限に抑えられていたと思います。

 しかし、『生々しい』というセリフ廻しは、私はことごとくポジティブに感じました。全く違和感なく没入できたんですよね。キャラクターデザインもデフォルメを抑えめにして、萌え要素を保ちつつも、オタクアレルギーを抑える事に成功していると思います。

成瀬のかわいさは特筆に価するが、一般人にも受け入れやすいデザインになっている
『心が叫びたがってるんだ。』本予告映像より
© KOKOSAKE PROJECT

 個人的には本作が一般向けかといえば、深夜アニメの予備知識や文脈を要求されないローコンテクストという意味でなら一般向けだと思います。でも分かりやすくするために物語が浅いかというと全くそんなことはないですね。

 物語の筋がシンプルであっても、心理描写話の深みが浅いとは感じませんでした。むしろそのあたりの描写を分厚く描くことに成功していると感じました。(それは君が一般人だからさ・・・と言われそうですが、ホントか?(笑)私は映画ラブライブを絶賛した人間なのだが・・・)


テキストを介して会話する成瀬と拓実
『心が叫びたがってるんだ。』本予告映像より
© KOKOSAKE PROJECT

 でも、だったら実写ドラマでいいのでは?と言われれば、アニメじゃなければ表現できない作品だと断言したいです。

 劇中では、ミュージカルについて『言いにくい言葉も歌にすると言える』という意味のセリフがありますが、同じようにアニメでこそ表現できる手法で実現した作品だと思います。

 この作品は実写にすると痛くなりすぎてバランスを欠いてしまうんです。特に成瀬順はアニメで声優さんが演じる以外にこれを表現することは不可能だと思います。無理にやっても違う作品になってしまう。だから本作はアニメでなければ成立しない作品だと思うんですよね。
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素晴らしい出来の恋愛パート


 予告編ではわかりにくいですが、とにかく恋愛パートが秀逸の出来なんです!独立しているわけではなく物語に密接につながっているわけですが、なんかもう高校生のいい感じが出てます。

菜月と拓実の会話シーン
恋愛の絡み方がすごく良くてストーリーの芯になっている
『心が叫びたがってるんだ。』本予告映像より
© KOKOSAKE PROJECT

 青春群像劇なんですから恋愛が出てきて当然なんですが、本当よくできてるなと思うので、予告編でそれがイマイチ主張されていないのは残念。予告編だとかわいそうな女の子の成長物語かなぁ?と勘違いしてたのですが、文科省推薦みたいな説教臭さは全くありませんね。冒頭からラブホの風景が出てくるくらいですからね(笑)

(次章よりネタバレありますのでご注意ください)

そして一番こころ動かされたセリフ

冒頭のラブホシーンがクライマックスに繋がる
皮肉にも子供の頃の夢だった王子様との逢瀬を果たす
『心が叫びたがってるんだ。』本予告映像より
© KOKOSAKE PROJECT

 名シーンはたくさんありますが、一番心に残ったのはやっぱりクライマックス。ラブホのシーンですね。成瀬が拓実に向かって、これまでの彼女からは想像もつかない罵詈雑言を浴びせた末、最後に告白をします・・・。

 彼は、その場を取り繕う事もなく、ごまかさずに「好きな人がいる」と伝え・・・そして成瀬が最後に一言、ちょっと笑顔で・・・。

 『うん、知ってたよ。

 このセリフの力がすごすぎて・・・が止まらなくて・・・しばらくスクリーンをまともに見ることができませんでした。もちろん立ち聞きしていたから知っていた、ということなんですが、このセリフに込められた想いは単にそれだけじゃないよね。

 知ってた・・・けど『言ったよ』という事・・・。

 言葉の持つ恐ろしさから声を出せなくなった彼女の心、そこから解放されると同時に、誰のせいにもできなくなった彼女。どんな傷つける言葉でも、すべて受け止めてくれるという拓実に、何もかもぶちまけて、そして最後に残った一番言いたかった言葉

孤独だが波風のない世界から引き出してくれた拓実たち
でも自分も相手も傷つくことは避けられない
『心が叫びたがってるんだ。』本予告映像より
© KOKOSAKE PROJECT

 拓実のおかげでここまで来て、今の自分がいて、そして、自分のことを大切に思っていてくれていると思っていて・・・でもそれが、激しい落胆怒り喪失感に変わり、混乱した自分を、それでも最後まで支えてくれようとする拓実

 その二人の関係に、自らケリをつけるための覚悟の告白。拓実の優しさと、誠実さと、そして・・・どうしようもない現実。そのすべてを含んだ『知ってたよ』

 その悲しみと切なさが凝縮されたセリフに、一気に感情を揺り動かされてしまいました。こんな切ない告白シーン・・・これを見るだけでもこの映画の価値を感じたし、ここで感動するためには、観客も逃げずにしっかり見ていないとダメなわけです。
※ご指摘によりセリフの一部を訂正しました(感謝です)

どうしようもない現実を前に告白する
『心が叫びたがってるんだ。』本予告映像より
© KOKOSAKE PROJECT

 しかしあの罵詈雑言によって、キャラクターの厚みが全然変わりましたね。かわいくて可愛そうな女の子という薄っぺらいキャラクターではなく、自分勝手に怒りもするし欲望もあれば妬み嫉みもある・・・未熟かもしれないけど、普通の人間らしい、分厚い感情を持ったキャラクターが表現されたと思うんです。
 

ラストの賛否両論


 野球部の大樹が告白するラストシーン。その唐突さには賛否両論あるようですが、個人的には素敵なハッピーエンドだと思います。でも、それは単に成瀬が救われるから、という意味ではありません。

野球部エースだった大樹
『心が叫びたがってるんだ。』本予告映像より
© KOKOSAKE PROJECT

 成瀬と大樹がうまくいくかどうかなんてわかりません。それどころか、菜月と拓実を見て嫉妬してうまくいかなくなりそうです。じゃあどうしてハッピーエンドだと思うのか。

 将来のことなんてわからないけど、ああいう経験すべてが、将来の彼女にとって最高の宝物になるんだろうなと確信するからです。痛みも喜びもすべて通過点。それが青春ですもんね。だからあの結末はすごくポジティブに感じました。

 ハッピーエンドの後も人生はずっと続く。だからその後の結末は重要じゃなくて、ああいう経験をしていること自体がハッピーエンドだと思うわけです。

痛みも喜びもすべて通過点
『心が叫びたがってるんだ。』本予告映像より
© KOKOSAKE PROJECT

 まあ、自分が高校生だったらそんな悠長なこと言ってられないでしょうけどね。どうだろう、かなりモヤったかも。そういう意味でも、あの花では世代的に入れなかったアラフォー世代にも楽しめる作品じゃないかな、と思いました。

 もう、最高でしたよ!あー本当に見逃さなくてよかった!ちなみに一緒に見た奥さんは一般人ですけど、楽しめてたみたいです。でも、俺の方がもっと楽しんでたかも(笑)

追記:2度目の感想を書きました、よかったら読んでください。まさか、2度目の方がもっと感動してしまうとは・・・。
(2度目の感想)「心が叫びたがってるんだ。」ここさけ 2度目の感想 :どうしても絶賛してしまうラブストーリー - アニメとスピーカーと‥‥
追記2:3度目の感想を書きました。しつこくてスミマセンが、よかったら読んでください。
(3度目の感想)心が叫びたがってるんだ。3度目の感想 ここさけ:歌詞とセリフの繋がりに驚き、星空に感動! - アニメとスピーカーと‥ 

(参考)ゆさアニ:『心が叫びたがってるんだ(ここさけ)』感想・ネタバレ あの花ほどのファンタジー性は無く、良くも悪くも王道の青春群像劇。(ネガティブ系)
(参考)きままに生きる 〜映画と旅行と、時々イヤホン〜:心が叫びたがってるんだ。 感想(中間系)
(参考)徒然もの書きぱん:アニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』の感想と考察 ~想いは言葉にしなくても重い~(肯定系)
(参考)りっころぐ:【映画】心が叫びたがってるんだ。(ここさけ) 初日観てきた【感想】(女性視点:肯定系)
(参考)26歳無職くん:映画『心が叫びたがってるんだ。』がなかなかの良作でした。『あの花』より好きです(肯定系:玉子と王子の考察が詳しい)

映画『心が叫びたがってるんだ。』公式サイト
オリジナルアニメ作品/119分
監督:長井龍雪/脚本:岡田麿里/制作:A-1 Pictures

他の『アニメ』の記事を読む
『スピーカー』『オーディオ・ビデオ』『備忘録・Mac・その他』『生活』
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8 件のコメント:

  1. 完全に食わず嫌いを発動してました。
    ネタバレになるのでしっかりと記事は読んでいませんが観てみようと思いました!
    ありがとうございます。

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    1. 読んでいただきありがとうございます。私にはすごく感動できたので、ホントにあの花ファン以外の方にも知って欲しいと思って書きました。なので、そう言っていただけるととても嬉しいです。
      感想は色々でしょうが、つまらないという人は少ない作品ですので、ぜひご覧になる事をお勧めします!

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  2. 映画を見て抱いた自分の気持ちをそのまま表現してくれたようなレビューで、自分が感じた感情を自分の中にストンと落とし込んでくれました。
    とくに、順の罵詈雑言からの告白のシーン、まさに僕が思っていたけど、僕の言語能力では言葉で説明しきれなかった「順の心の動き」をうまく説明されています。

    ただ一点だけ、順のセリフは『知ってた・・・』じゃなくて『知ってたよ。』なんですよね。
    1回めに見た時に、「言葉のテンポ的には『知ってた』のほうが良さそうだけど、なんで『知ってた“よ”』なんだろう」と思ってたんですが、
    たぶん、『知ってた。(諦め)』というニュアンスではなく、『知ってたよ。(でも、大丈夫。聞いてくれてありがとう)』という、ポジティブというか、悲しみ&切なさ100%じゃなくて、感謝のような気持ちも何割か含まれていることを表現したかったからじゃないかと思うのです。

    だからこそ、ミュージカルのラストシーンで順(少女の心の声)が歌う歌詞が、
    「悲しい過去も涙の後も、私は叫ぶから あなたに出会い生まれた(この)気持ち すべてを愛してる」
    なのではないかと。
    だから僕はこのシーンを2回めの視聴で見た時、「切ないなぁ・・・」という感情とは別に、「やっと言えたね、良かったね・・・」という気持ちが共存して、ボロ泣きしてしまいました。その意味では、「自分の感情をちゃんと伝えてケリを付ける」という順の決意に、「ありがとう。でも俺、好きな奴が居るんだ」と、はぐらかすことなく正面から順の気持ちに応えた拓実もマジでカッコよかった。

    もう2~3回見に行きたいですね。

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    1. コメントありがとうございます。そして間違いのご指摘、本当に感謝です!

       諸般の事情でまだ2度目を見に行けてないので・・・うろ覚えで書いてしまいました。上映館が微妙に遠いので、心身のコンディションの良い状態を選んでたら中々行けなくて。他の映画のついでに見るのもイヤですしね・・・。
       
       あのセリフの解釈も、確かにご指摘の通りですね。明暗いろんな感情が折り重なっていますね。特に『感謝』っていうのはその通りだと思いました。

       あそこは自分の中でいきなり焦点が合ってしまい、突然ものすごい感情の波に襲われてしまったんですよね。その後はしばらく心が平静になれずにミュージカルシーンもちゃんと見れてない気がします(笑)2度目はしっかりその辺も見たいですね。

       それと、拓実のカッコよさってホント同感です。あの状況で誤魔化さないところがすごく誠実というか、ちゃんと順に向き合ってるって事ですもんね。だからこそ一層悲しいのですが・・・。

       同感してくれる方がいて本当に嬉しいです、ありがとうございました!

      削除
  3. どうもです!

    私も正直言うと、あの花にはあまりハマることができなかったんですよね。
    だからこそ、ここさけには本当にいい意味で裏切られたといいますか、そこらへんまさにkatoさんと同じ気持ちでした。
    ここさけに感じる『痛さ』とか『生々しさ』は、これぞ岡田麿里!といった感じですが、それが過剰になることなく良い意味で一般向けになっているのはほんと絶妙なバランスだなあと思います。ここまで魅力的な登場人物・物語を、あの花と違い120分という時間で作り上げているのはすごいなあとしか言いようがありません。

    >将来のことなんてわからないけど、ああいう経験すべてが、将来の彼女にとって最高の宝物になるんだろうなと確信するからです。痛みも喜びもすべて通過点。それが青春ですもんね。だからあの結末はすごくポジティブに感じました。
    >ハッピーエンドの後も人生はずっと続く。だからその後の結末は重要じゃなくて、ああいう経験をしていること自体がハッピーエンドだと思うわけです。
    この文章、とても感動しました。ほんとその通りだなあと思います。自分もあのラストはとても素敵な終わり方だなあと感じました。
    またその後にエンドロールに流れる乃木坂46の曲も、私は映画に合っていてすごくいいなあと思います。このあたり感じ方は人によって違うと思いますが。

    さて、いよいよ今日『心が叫びたがってるんだ。』が地上波で放送されますね!
    しかも土曜の夜9時からという……。
    実写映画の宣伝も兼ねてるとはいえ、土曜プレミアムでここさけが放送されると知った時は、「あの土曜プレミアムで放送するの!?」と喜びと同時に驚きでいっぱいでした。きっと反響も大きいに違いありません。この放送をきっかけに、『心が叫びたがってるんだ。』という作品の存在を知り、ファンになる人が増えればいいなと思います。

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    1. もあいさん、コメントありがとうございます!感動なんて書いていただいて本当うれしいです。
       地上波で放送ありましたね。私は都合でリアルタイムでTVを見られなかったのですが・・・ファンはみんな楽しみにしてる感じでしたね。

       今でこそ名作と言われますが公開当時のことを思い出すと、悪評は少なかったものの、結構『まあまあ普通によかった』って感想が多かったんですよね。自分を含めて『強烈な絶賛』してる人って1/3位かなぁって感覚でした。

       今回TVで初めて見た人の中にも、ものすごいハマっちゃった人っていると思うんですよね。でも周りの人は自分ほど感激してない感じで・・・そんな人たちと『そうそう!』って言い合いたくて記事を書いたことを思い出します。

       乃木坂46の曲も自分は初見では、ちょっと違和感あったのですがけど・・・2度目は、どうしよかって思うほど感動しちゃって(笑)ほんと良いですよね。

       アニメの話でこう言うのも変ですが、登場自分の四人とも幸せな未来を願いたくなる作品でした。今でも本当に好きな作品の一つですね。コメントありがとうございました。

      削除
  4. Hidebow-Rainbo-Frawbow2017年7月30日 22:23

    katoさん、こんばんは!


    昨晩の放映、忘れてました。アチ~ァ!(笑)



    アニメ版の感想記事を読ませてもらいました。登場人物のこころの動きを細やかに注目されているのには、驚きました。仕事柄、人物の感情の動き、どんな感情のやり取りがされているのか、気にかけるつもりですけど、私は、katoさんほど、繊細ではありません(笑)勉強になります。katoさんは、とても繊細な感受性の持ち主だと、御見受けします。


    アニメ版はアニメの特徴を生かした描き方がされていますのところは、同感です。(私は地域ふれあい交流会のミュージカルシーンが大好きです。)順が『私の声』(原曲:グリーンスリーブス)を独唱しながら、客席通路を入場してくるところは、本当にしびれました。私の感動の頂点でした。ここで、順の母親は、順の気もちを、ようやく知ることになる場面です。絵や音楽、声などで気持ちと感情の動きを、みごとに表現できるアニメ(ジャパニメーション)の長所、伝統芸(?)を思い知りました。


    なぜ、ミュージカルシーンがいいのかといいますと、観にいくきっかけがTVCMでした。CMのバックにベートーベンの『悲愴』が日本語歌詞をのせて、流れていたからです。「なぜだか、観にいきたい」と居ても立ってもいられない状態でした。それで急いで劇場に足を運びました。だから、映画の内容はまったく知らなかったのですよ。でも劇中でながれる『替え歌』たちは、すべて原曲を知っていますし、鼻歌なら完璧に唄えますよ(爆笑)!また、私の高校生時代、文化祭の出し物でミュージカルを上演した体験とかさなりました。それに無類のミュージカル好きである私は、(このミュージカルシーンのサプライズにたいして)異様に興奮を隠せませんでした。



    話は変わりまして、『心が叫びたがっているんだ。』実写映画版を観てまいりました。青春群像劇としてよくまとまっていた。アニメ版同様、コミュニケーションの大事さを描いています。またミュージカルシーンが気持ち長めだったのが、個人的にはうれしいかぎりです



    今回実写版を見て、実写は、俳優さんがお芝居するんので、実写なりのアプローチがあるのだなとわかりました。卵の妖精が出せないから、工夫をしてみるとか。アニメのように(声をデフォルメした)感情表現ができないけど、主役4人の問題になっていることを整理して、3~4本くらいのエピソードが平行に流れて行き、どこかで交わり、どのような結末に導いていくか。まあ、アニメ版は一端ほかにおいておき、素直に実写版を楽しむのがいいですね。



    実写版は4人の俳優さんのそれぞれの特徴を、生かしたなと思います。中島くんは、いつもはキラキラした笑顔の王子様キャラなんですけど、今回抑えさに抑えた拓実を見事に演じてました。それでもプリンスなんですよね、彼は!。芳根京子さんは、アニメでは想像しなかった笑顔の似合う”とても!かわいらしい”順。朝ドラの「なんかな~ぁ?」のせりふの時、首をかしげ不思議そうな表情と仕草をするところは、順にひったりです。葉月役の石井杏奈さんはダンス以外にも、数々映画に出演、前作映画「スプリング、ハズ、カム」(2017年)では、噺家・柳家喬太郎さんと父娘役で共演。同年代の女子大生をのびのびと演じていたのが印象的でした。今回は抑え気味の難しい役回りでしたが、さすがに注目される若手女優さんだけあります。葉月の自分から言い出せない気持ちが表情に垣間見られました。田崎役の貫一郎さん、父似の風貌で、役になりきっていました。一生懸命さが清々しいです。父・佐藤浩市さんのデビュー作をふと思いだしてしまいました(笑)



    御伽噺ように、めでたしめでたしの後も、現実は続くのですよね。


    アニメ版・岡田磨里さんのシナリオは『辛口の現実』を良く描いていますよね、どの岡田作品のシナリオも同様ですが、他(のアニメ)とは一線を画します。しかし、これもアニメの表現にひとつです。いろいろあり、多様性があることが面白いんだとおもいます。


    他に、私の好みでは、『生徒会役員共』のように、ばかばかしいギャグのひとつひとつも愛すべき作品です。ひとつに固執しますと、まわりが見えなくなる私なので、これからも、できるだけ多くの映画、アニメに出会いたいと思う次第です。


    余談ですが、乃木坂46の曲についてです。私はアイドルの知識は皆無ですが、乃木坂46だけは、デビュー当時からの注目しているグループです。ファンです(汗)。2015年この頃の、乃木坂ちゃんたちは、デビュー4年目で、着々とテレビ出演、その他の仕事が増やしていきました。NHK「紅白」は、満を持しての出場が決まりました。まるで、現在の快進撃を予感させる年でした。


    ここからは私の推測でお話します。私のひとりごと、ほんの戯言と思い、聞き流して下さい。乃木坂46がED曲を担当したのは、当時この勢いがあったのも理由です。でも、乃木坂46の所属するソニーレコードは、この映画のアニメ制作会社のA-1プロ、配給元・製作委員会参加企業のアニプレックスとおなじグループ会社(3社ともソニーミュージックエンタテインメントの関連会社)なので、ぜひ乃木坂46を起用となったのかもしれません。そんな諸事情があるかもしれませんが、EDをむかえ、彼女たちの歌声を聞きほっとした気持ちになりました。笑顔で自宅に戻れそう!と思いました。


    また、葉月の声を担当した雨宮天さんの所属事務所とレコードレーベル(個人&声優ユニット:TrySailのメンバーとして、 この当時ミュージックレイン→現在SAKURA MUSIC)は共にソニーの関連会社です。それから順の声を担当していた水瀬いのりさんはこの当時、他のレコード会社(キングレコード)がらCDデビューが内定していたはずなので、劇中ミュージカルでお姫様の急遽代役も、大人の事情が反映されていたのかもしれませんね。と考えもします。あくまで、私の妄想に過ぎませんがね(笑)


    だけど、実際はそんなことはないと思います。それらは(順の行方不明と葉月の代役は)最初からこの映画通りのストーリであったと信じてます。それにしても、劇的な話の展開でした。


    なんだかまとまりのないコメントでごめんなさい。この映画はお話したいことだらけです。それはまた何時か機会で、よろしくおねがいします。最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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    1. Hidebow-Rainbo-Frawbow さん、コメントありがとうございます。返信遅くなってごめんなさい。ここさけ感想をじっくり拝読させていただきました!

      ミュージカルへの関心をきっかけに鑑賞したということで、自分にはない視点からの印象で興味深かったです。ご自身の経験とダブるってかなりすごいですね(笑)それなら感動も増幅されそうですね。

      公開当時を思い出すと、この作品は思いがけず強く波長が合ってしまい、驚きで書かずにはいられないという感じでした。オリジナル作品としては滅多に出会えないレベルの衝撃に興奮したのを覚えています。

      ミュージカルについては慣れないせいもあって初見ではちゃんと受け止められなかったですが、2度目3度目と慣れてくると本当にうまく作ってあるのがわかりましたね。ふれ交のシーンで歌詞の意味や、繋がりが理解できた時の感動はすごかったです。

      実写版の感想もありがとうございます。自分も書きたいと思ってかけてないんですよね・・・それにしても拓実役の彼はすごいですね。あれだけカッコイイのにちゃんと『拓実』を表現できてるのに感心しました。

      乃木坂46のことは全然詳しくなかったので参考になります。見る前は『アイドル曲』のタイアップなんてちょっとなぁ〜と正直バカにしてた部分があったのですが、2度目以降は曲聴いただけで泣けてくるので参りました。今でも詳しくはないのですが、乃木坂46に対するイメージは変わりましたね。後半の想像力を発揮された推理もすごいですね(笑)ちょっとした同人誌になりそうなお話です。

      こちらこそコメントありがとうございました!

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